イベントレポート

8月29日(土)14時半~16時 日本の偉人から学ぶ②「高杉晋作と野村望東尼」のお話を聞く会を開催いたしました。参加費1000円

「高杉晋作と野村望東尼」

~~~英雄・高杉晋作を救った福岡の女傑~~~

高杉晋作って何した人?」とよく聞かれます。

今の山口県萩市、長州の上級武士の家に生まれた高杉晋作は、身分の差を問わない日本初の軍隊である「奇兵隊」を創設し、300年続いた徳川の世を終わらせるきっかけを作った人です。

私は下関市生まれで、この街には高杉晋作ゆかりの史跡がたくさんあります。しかし、私が語り部を始めたのは、まだ10年ちょっと前のこと。思えば、ずいぶん無関心でいたものです。

きっかけはというと、その当時、私は人生で一番辛い時にいました。そんな私を勇気付け、前を向いて歩かせてくれたのが高杉晋作だったのです。

どんな困難がふりかかっても、決して「困った」と言わなかったという高杉。しかし27歳という若さで亡くなるまで、彼の人生は困ったことだらけでした。忠義と孝行という、当時の武士には当然のこと。それを頭で理解しながらも行動はまるで違い、革命に身を投じていく。その大きな矛盾に彼は苦しみ、のたうちまわっていた。そんな人生でもありました。

今から156年前、長州藩士・高杉晋作が福岡に亡命します。幕府からも藩からも命を狙われていた高杉をかくまったのは、平尾山荘に住んでいた勤王の女流歌人・野村望東尼です。 10日間平尾山荘で過ごした高杉は、福岡藩の勤王の志士たちの協力も得て、無事下関に帰還。そして、世に有名な「功山寺決起」を起こし、時代を大きく変えます。

一方、高杉晋作を匿った罪で、糸島の沖の姫島に島流しにあう望東尼。それを知った高杉は、救出作戦を実行し無事望東尼を島抜けさせるのです。再会を喜んだ二人でしたが、高杉に残された時間はそんなにありませんでした。

おもしろきこともなき世をおもしろく  高杉
棲みなすなすものは心なりけり     望東尼

望東尼はじめ、福岡の優しい人たちの思いと期待を一身に受け、彼は倒幕の先鞭をつける。どんな逆境の中にあっても、すべて受け入れ、決して諦めることなく人にも自分にも誠実に生き抜いていく。まさに二人はそんな生き方を見せてくれました。

それは、これからも語り継いでいかねばならないと思っています。そんな魂を揺さぶられる二人の物語をどうぞお聞きください。

語り部 亀田真砂子

下関市出身、現在は福岡市在住。
福岡の平尾山荘の近くに引越ししたことがきっかけで、高杉晋作の語り部になり、故郷に恩返しをしたいと考えるようになりました。
2011 年に、漫画家の朔田浩美さんとの出会いがあり、それから「2017 年晋作伝プロジェクト」を立ち上げ、全国の晋作ファンとのツア-やミーティングなどを実施してきました。また、山口、萩、防府、美祢の幕末ファンとのネットワークを構築して、ツア-などでは連携して県外のお客様をおもてなししています。

ブログ:高杉晋作と徒然なる旅を http://baisho.cocolog-nifty.com
FB: 高杉晋作ファンサイト http://www.facebook.com/takasugifan

◉講演会
・下関夜話会(亀山八幡宮)で 2013 年より毎年 1 月に高杉晋作のお話
・福岡歴女講話「高杉晋作と野村望東尼」
・奇兵隊創設 150 年記念講演会(桜山神社)「高杉晋作と筑前藩士」
・下関 21 世紀協会 文化サロンで「高杉晋作と筑前藩士」
・功山寺決起 150 年記念講話「高杉晋作と長府藩」 下関毛利邸にて
・吉田小学校 学習会「高杉晋作と野村望東尼」

◉歴史で町おこしの活動
・「宮部鼎蔵と五人の先哲」顕彰プロジェクトの外部アドバイザー
(熊本県御船町 平成 26 年の一年間)
・「長州美祢維新の光 来島又兵衛と禁門の変」 総合プロデュース
(山口県美祢市 平成 27 年 7 月 18・19 日実施)
・「高杉晋作没後 150 年記念事業」 総合プロデュース
(下関市 平成 28 年 4 月 14~17 日)

<素晴らしい歴史ロマンのお話に感動のご感想です>

・歴史の真実を教えて下さり、感謝でした。何も知らないで一生を終えることもありますが、歴史上に真心に生きた人物がいらっしゃるなら、本当に知って、感謝を捧げることが出来るなら、こんなに素敵なことはありません。

・とても興味深く聞かせて頂きました。これまでは、歴史に興味がなかったのですが、今回の語りで高杉晋作の行動力や野村望東尼が助け出される背景が目に浮かびました。

・優しい語りで聞きやすかったです。

・最後に動画を見せて頂き、良かったです。

・お話に引き込まれました。諸先輩方の人生もドラマチックなシナリオだったんだな~と、心が震えました。

・歴史大好きな伴侶も、益々関心が湧いたと申しておりました。

・語り部さんの想いが沢山伝わる、素敵なお話でした。

・映像や稀有な機会の写真など、そして最後のまとめの編集映像など、とてもインパクトがあり、分かりやすく伝わってくるお話でした。

・高杉晋作は、幕末に奇兵隊を結成するなど倒幕に加担した長州藩士。大河ドラマなどで知る彼はちょっとイケメンで女垂らしで奔放なイメージしか持っていなかったのですが、今回の講演で初めて、九州に亡命し、女流歌人野村望東尼と出会い、その後生涯にわたって互いに歌のやり取りなどで心の交流を持ち続けたことや、島流しの獄から彼女を救出させたエピソードを知り、衝撃的でした。親子ほど離れた二人は母子のようでもあり、同志でもあり。ただの女垂らしではなかったんですね(笑)

・長州と筑前のご縁を深く知る機会になりました。お互いに命を懸けて、命を助け助けられて、お二人の縁にロマンや絆や道義を感じました。

・博多の地名や原三信病院の創始者藩医原三信さん等の身近なところでのお話にも、親しみが出て、見え方が変わってきました。下関の名所にも行ってみたくなりました。東行庵とか、、、。

・山形有朋や伊藤博文それから吉田松陰などなど、関わりのある人物とのお話も次々と出てきて面白かったです。

・幕末に、この福岡の地を舞台として織りなされた歴史的ドラマを知ることが出来ました。いつも車で通る通りの一つ向こうの橋にそんなドラマがあったなんて!先人の想いが駆け巡ったその街に、自分も住んでいる事を実感出来ました!

・講演後の四方山話で、望東尼と正妻マサさんとのお話や、マサさんと愛人のおうのさんとのお話など、益々身を乗り出す逸話がありました。近々平尾山荘にも訪れてみようと思います。あの時に思いを馳せて。

・お話を聞くまでは、望東尼さんは晋作さんをかくまった人としか認識していませんでしたが、晋作さんは受けた恩を忘れずに、彼女が島流しになったとき、部下に指示を出し救出させたと言う物語があったのですね。とても衝撃を受ける位心に響きました。お二人の心のやり取りの和歌も含め、広く語り継いで頂きたいロマンですね。

・晋作と望東尼に、母性や敬愛や、男女の愛情や、信頼など、様々に刺激を受けました。単なる机上の先人でなくなった気持ちです。

とっても素敵な語りを、亀田さん ありがとうございました。